湯そのものへの原初的な信仰とも言えるのが、「別府八湯温泉まつり」でもおこなわれているような「湯かけ」である。湯かけは、「湯祓い」に通じるものとされ、湯には罪や協れを取り払う力があり、それをかけることは「祓い」の儀式と同じことになると考えられている(神崎一九八八年)。神楽のなかに、釜の湯を笹などで振りまく「湯立て」があるが、これと同じものと言えるだろう。和歌山県田辺市の湯の峰温泉には、熊野詣での「湯
祓いの心意が無意識のうちに働いている... の続きを読む
「緩急結合型」は、途中駅で各駅停車系列車を急行系列車が違い越すパターン。当該途中駅に急行系列車が停車して、各駅停車系列車と接続を図れば、各駅停車系列車しか停まらない駅の旅客も、「急行系列車と各駅停車系列車相互の乗り継ぎ」を工夫することによって、目的の駅に各駅停車系列車を乗り通すよりも速く到着することが可能となる。都市と都市を結ぶ路線で採用されることが多く、関西圏の国鉄・JRおよび私鉄は、古くからこ
「緩急結合型」とは... の続きを読む
世界遺産の登録に「文化的景観」という新しい概念を加えた点においても、コルディリェーラの棚田の存在価値は大きい。イフガオ族の住居は昔から高床式住居である。スペインやアメリカの支配下にあっても、彼らは古くからの生活様式を変えることはなかった。高床式の家の出入り口にははしごが使われ、夜の間は戸閉まり代わりに床の上に引き上げられる。藁葺き屋根の下、炉のある温かな空間が家族の生活の場になるのだ。彼らは、多く
あとを継ぐものがいない... の続きを読む
フルマラソン大会のように全部走ることを求められている場合は全部走らざるを俳ないだろうけれど、鉄道旅行は大会には馴染まない。それぞれが楽しみたいように楽しめばいいのではないか、と私は考えている。でも完乗を否定するつもりもバカにしているわけでもなく、好きな人はそれを実行すればよくて、たまたま私には興味がないというだけだ。特に私の場合途中下車してひと駅区間を歩くのが好きだったりするので、乗りつぶしのマー
「完乗」よりも沿線歩き... の続きを読む
「トロッコ列車」と呼ばれる列車があちこちに走っている。JR在来線の「普通の列車」が走れるような線路の上を「納涼客車」的なものを走らせるものもあるけれど、「トロッコ」というものを芥川龍之介の小説「トロッコ」に出てくるような、工事用に敷かれた簡易なレールの上を手押しまたは小さな機関車がゆっくり進む、といった本来の意味とするなら、本来のトロッコの雰囲気を伝える列車はだいぶ限られてくる。芥川の「トロッコ」
トロッコとは?... の続きを読む
リバークルーズは、荷物を気にすることなく、気楽に町の中で出かけていけるのが、いいところだ。もちろん寄港すれば、オプショナルツアーもあるが、それに参加しないで、普通の観光で寄ることのない、小さな町を好きな時間に歩いたりできる。オーシャンクルーズでは、アラスカクルーズやフィヨルドのクルーズでないと、日中陸地の近くをクルーズすることは少ない。リバークルーズは、左右を町に囲まれた川をゆっくり進んでいく。防
揺れない船旅... の続きを読む
「急行」にも言及しておこう。かつて特急は「特別急行」を意味し、文字通り数多い急行や準急などに混じって一日わずかの本数のみの特別に速い列車であったが、その後全国各地に広まって頻繁に走るようになり、「特別」ぶりは徐々に失われていった。特に平成に入ってからは「急行」の方が夜行や地方線区を中心にわずかに運転される「特別」な存在となり、平成二二年(二〇一〇)三月以降に運転されている定期列車は青森〜札幌間の「
急行の定期列車は「はまなす」「きたぐに」のみ... の続きを読む
横浜港で「飛鳥」の写真を撮っていると、雨がぽつぽつ降ってくるではないか。早々に「飛鳥」に乗り込む。「明るい」これが、「飛鳥」の第一印象だった。レセプションの壁面に暖色系で描かれた絵の影響もあるだろうが、船内が非常に明るく温かい感じがした。ちょっと船内を探索する。船尾には、プールを囲むように、テーブルが置かれたオープンのスペースがあり、デッキで食事ができるようになっている。何層かになったデッキがさら
南西諸島クルーズについて... の続きを読む
あるバッグメーカーが、クルーズ専用スーツケースを開発しようと、日本船の乗船風景を観察していると、手ぶらであったり、段ボール箱であったりして、特別なクルーズ用のバッグ需要はないということになってしまった。しかし、それは早とちりというものだ。外国船に乗るとなると、そうはいかない。1週間のクルーズとはいえ、男性はスーツとタキシード、さらに靴を2足持っていくとなると結構な荷物になってしまう。巨大なスーツケ
お国柄が表れて面白い... の続きを読む
クルーズは客船に乗って、様々な港に寄港し、世界中を回る旅の手段である。飛行機や電車と違って、船内での生活自体も愉しめるのがクルーズのよさであろう。船での移動は時間がかかるので、時間を愉しむ旅と言ってもいい。海外、とくに米国ではクルーズは特別な旅の手段ではなくなっているが、日本はクルーズと言うとまだまだ「夢の旅」のように思われているのが現状である。本当に夢の世界なのか?愉しいところならみな何度も行く
本当夢の世界なのか?... の続きを読む
調整作業の結果、無事残っていれば、当日空港で航空券が発給されるというわけだ。旅行代理店は、半年間くらいの中でもっとも安い価格を広告に使用するので、利用日と価格は必ずセットで比較しよう。最悪なのはエアラインが決まっていない格安券で、乗客が決まってからエアラインと交渉を始める旅行代理店もあるので、価格の安さだけに引きずられるとひどい目にあうこともある。格安券で有名なエイチーアイーエスは、電話による問い
国内・国際航空券の情報を定期的に送ってくれる... の続きを読む
九世紀から六〇〇年にわたり、東南アジアに君臨したアンコール王朝は、一五世紀、突然終焉の時を迎える。なぜアンコール王国は滅んだのか?いまだ完全に解き明かすことができない謎である。アンコール遺跡群のひとつ、バンテアイークデイ。二〇〇一年、考古学者さんの指令の下、発掘詞査が行われた。そこで王国最大の謎を解く手がかりとなる発見があった。中から姿を現したのは、多くの仏像だった。その数、二七四体。これはどの多
アンコール王国滅亡の謎... の続きを読む
東京二三区とほぼ同じ面積のアンコール地方には、アンコールワットのような石造りの遺跡が、大小七〇〇も集中している。王国の最盛期、この地方には、六〇万の人々が暮らしていたという。なぜ王は、憑かれたように巨大な石造建築を造り続けたのか?そして壮麗な寺院の建設を可能にした国力の源はなんだったのか?アンコール王国繁栄の秘密を求めて、私たちは、「王国発祥の地」と伝えられる場所に向かった。アンコールワットから北
水の王国が繁栄した秘密... の続きを読む
他社線連絡の運行表が出ている駅では、自動券売機に必ず連絡用のボタンが用意され(今はタッチパネル式がほとんどであるけれど)、それを押す(タッチする)ことによって連絡他社線へまたがる「連絡乗車券」というものを購入することが出来る(正確に記せば「連絡普通乗車券」であり、旅客には「連絡切符」などと案内されることが多い)。件の言が谷大塚駅で、蒲田乗り換え(接続)JR京浜東北線の大森駅までの連絡乗車券を所望す
気が楽な「連絡乗車券」... の続きを読む
問題は中堅クラス。一万五千円から三万円まで。ここが一番悩むところだ。このクラスだと夜と朝で係りの仲居さんが交代することも多い。折角夜渡したのに、朝、別の仲居さんが新聞を持って現れたらがっかりする。これはもう直感に頼るしかない。何となく気が合いそうで、渡したくなったら渡す。そんなところでいいだろう。二人で泊まって三千円。夕食を運んできて、食事の世話を始めてくれる、その時に渡せばいい。繰り返すが、渡し
心付けの有無では旅館の対応は変わらない... の続きを読む
胸をドキドキさせながらも、冷静を装い、窺っていると、やがてふわっと載せられたのは熱い蒸しタオル。オイルを拭き取る為だ。ワクワクは、ヤレヤレ、ガッカリに変わる。なるほど、女性達が「アロマ、アロマ」と騒ぐ筈だ。まさしく夢見心地で、あっという間に一時間か過ぎる。さてここから、仰向けになってフェイスマッサージ。白魚のような指がアロマオイルを塗った頬を滑る、筈だった。あれほど綺麗に剃ったのに、指が動く度に、
自分へのご褒美のために... の続きを読む
車内にはトイレが設置され。各車両の間には幌を設けて通り抜けできるようにし、空気ブレーキを装備して減速の衝撃を和らげるなど、他の線にはない最新のサービスが随所に施されていた。それがいまはどうだろう。東京−逗子開の現在の所要時間は、当時と同じか若干遅く、東京−横須賀間に至っては、すべての電車が一時間十分以上かかっている有様である。つまりこの七十年間に、横須賀線は相対的に速度が落ちた上、一両当たりの座席
「帝国」の残映は無きに等しい... の続きを読む
東京の近郊にしては、駅間距離が長い。平均して四キロはある。千葉ニュータウン中央を出ると、再び電車は谷底を走りだした。次の印西牧の原は二〇〇〇年まで終点だった駅で、現在でも半数近い電車はここ止まりとなっている。だがこの駅前も、何もない感じだった。右手のはるか向こうに、陽炎のように団地が見える。数人が降りたが、千葉ニュータウンでは辛うじてあった生活感は、いまや全く消え去っていた。この電車は、どこに向か
二十一世紀日本の縮図?... の続きを読む
国内旅行と言っても、遠くまで行く必要はありません。いっしょに出かけること自体に、価値があります。計画を立てるところから楽しみが始まります。近くの温泉に一泊するだけでも、いつもの家から離れるということがワクワクさせます。旅館に泊まって、大きな一間にいっしょに寝ることも楽しいですし、主婦としては後片付けを気にしないで、家族団らんの時間を過ごすことがうれしいです。流行しているアウトドアであっても、いつも
近くでも楽しい国内旅行... の続きを読む
カーナヴォン城と言う城郭がウェールズに存在します。イングランドがウェールズを侵攻し、獲得した領土に建設された城郭で海外旅行客にも人気があります。河口に近い場所に建設され、軍事拠点と言うだけではなく経済の中心地にもなっていました。外壁などはコンスタンチノーブルを参考にし、城郭の建物もかなり洗練された構造になっていますがそれだけに建設に莫大な費用がかかり(当時の英国王室の収入と同じくらい)、現在でも未
海外旅行客に人気のカーナヴォン城... の続きを読む
「ニイハオー」と声をかければ、途端に背筋をシャンと伸ばし、入館料の20元(約300円)をしっかり徴収された。どうやら休館日ではなさそうだ。客は私1人だけの完全貸し切り状態である。鉄道博物館につきものの館内を縦横無尽に飛び回るチビッコの姿もない。いつもは閉口するのだが、彼らがまるでいないことが妙に寂しい。いくら立派なものを造っても、ここに来る公共交通機関もないし、ましてやや国の施設の中、子供たちが気
中国人一家の最低月収とほぼ同額... の続きを読む
列車に乗るために、車を運転するというのも自動車社会アメリカの現実なのである。「ハロー、グッデー」列車に乗り込むやいなや、エプロン姿のクルーに挨拶される。続いて、「ウッデュー、ライク、シャンペン?」と、グラスになみなみ琥珀色の液体を注いでくれる。時刻は午前10時前、こんな時間からシャンペンとは気が引けるが、これがワイン列車の流儀とあっては致し方ない。ありかたく飲み干す。続いてスクランブルドエッグ&ベ
車を運転するというのも自動車社会アメリカの現実... の続きを読む
東京は「ホテル戦争」だといわれている。2007年を最終章としてこの5年間、世界の名だたるトップクラスの外資系ホテルブランドが、続々と開業している。施設、サービスにおいて国際的に高い評価を受けるこれらのブランドが既存の日本のホテルに与える影響は大きく、ドメスティックなサービスからインターナショナルなサービスへ、日本のホテルビジネスの姿勢を大きく変えさせるきっかけを作った。また、海外で多くの高級ホテル
東京は「ホテル戦争」の時代... の続きを読む
大失敗を通して、私は改めて飛行機と鉄道の違いを深く考え込まざるを得なかった。もし飛行機でなく、新幹線で博多まで行こうとしたら、どうなっていただろうか。JRの規定では、指定された列車に乗り遅れた場合、その日に限って、自由席で行くことができるとしている。だが、それはあくまで、その日に限っての話である。まる一日遅れた場合は無効となり、買い直さなければならなくなる。したがって、七月二十九日の指定券をもちな
鉄道の厳格さ... の続きを読む
ウブドの山奥にドラマチックにたたずむ邸宅(エステート)をそのままに、心と体を開放するホリスティックなリゾートとして知られる。ゲストは個人ごとのプログラムが作成され、ヨガ、メディテーション、ピラティス、太極拳などのアクティビティを受けることになる。また、バリニーズ、タイ、アーユルヴェーダなど各種揃ったスパ・トリートメントや鍼灸、専任シェフによる栄養・カロリーコントロールを施したグルメ料理など、ボディ
健康にいい各種プログラムの用意... の続きを読む
現在妊娠8ヶ月目。そろそろ遠出が厳しくなってくるので、出産前最後の国内旅行として夫と鎌倉・江ノ島へ行きました。鎌倉へ行くのは大学時以来2度目です。朝イチで家を出て、図書館で借りたガイドブックを見ながら期待を膨らませました。観光名所よりも町並みに興味があったので、ガイドブックがおすすめする日常散歩コースに沿って歩きました。途中お寺があれば寄って、安産祈願をしました。鎌倉には驚くほどお寺があり、小銭が
出産前最後の夫婦国内旅行... の続きを読む
根室行き列車が出発する釧路駅ホームは観光客で賑わっていた。夏の終わりとは言え、まだまだ観光シーズンは続いている。根室へ行く人も結構いるのだなあ、と思い、列車も混雑するのだろうかと心配になってきた。しかし、根室行きが出る二番線の向かい側、三番線に釧網本線の観光列車「釧路湿原ノロッコ号」が入ってくると、大勢いた観光客は、ノロッコ号に乗り込んでしまった。ディーゼル機関車か引っ張る五両の客車はたちまち満員
観光客に人気の「釧路湿原ノロッコ号」... の続きを読む
夏休みやお正月は、たいてい娘と海外で過ごしています。娘がまだ小さいので行き先はリゾートが多く、のんびりと滞在型の旅になります。そんなときの私の必需品は本。子どもの頃から本が大好きですし、旅は本を読むために行くと言っても過言ではないぐらい、たくさん持っていきます。だいたいボストッンバッグの半分ぐらいが本で埋まっているという感じ。ジャンルは小説が多いですね。小説の内容は多岐に渡っていて、サスペンスから
のんびりと過ごすのがわが家のバカンス... の続きを読む
格安エアラインの出現によって変化したものは、乗客の意識だけではなかった。人件費の問題である。つまり格安エアラインで働くパイロット、客室乗務員、メンテナンスやチェックインなどを担当する地上スタッフの給料である。格安エアラインの安い運賃にいちばん影響している要因は、スタッフの人件費を抑えることに成功したからではないか……と見る人もいる。これは格安エアラインだけではなく、既存航空会社でも行われてきたこと
従事者の意識改革は最重要課題だ... の続きを読む
格安エアラインが日本に乗り入れたとはいえ、その便数はまだ多くない。2011年1月の段階で、日本に乗り入れている格安エアラインは、ジェットスター航空、ジェットスター・アジア航空、チェジュ航空、エアプサン、春秋航空、セブ・パシフィック航空、エアアジアXの7社だ。これらを利用して日本から直行便や経由使で訪ねることができる目的地は、シドニー、ケアンズ、ゴールドコースト、台北、シンガポール、ソウル、釜山、上
既存航空会社の航空券は3種類ある... の続きを読む
旅の記録と言うと、紀行文でも書くのかと思うかもしれない。もちろん、それはそれでいいものだが、誰にでもできるわけではない。まずは、メモ程度や旅程表でいいから、純然たる記録を残しておこう。最初は、旅のスケジュールだ。ツアーの旅程表あたりを参考にしながら、日程を振り返ってみよう。もちろん、鉄道旅行であるから、時程の要は列車ダイヤである。資料としては時が経てば経つほど貴重なものとなるので、しっかり記録して
旅の記録を作ってみよう... の続きを読む